「農家が作るワイン」がコンセプト
栃木県南東部に位置する市貝町に居を構える日下篤さんは、150アールの農場でワイン醸造用のブドウ(マスカット・ベーリーA、甲州、シャルドネ、プチ・ヴェルド)をメインに栽培して8年目。
ワインも農産物と捉え、生産から加工まで一貫して関わっている。
今回紹介する赤ワインはマルカットベーリーA93%、メルロー7%の混醸で、軽めで飲みやすいライトボディだ。すき焼き、焼き鳥、肉じゃがなど、しょう油を使った料理との相性が抜群。カジュアルに飲みたい。
農業が好きだからこそ続けられる
富山県で生まれ、北海道で父親が営む畜産業を見て育った日下さんは、家業の手伝いを通して農業に親しみ、専門学校を卒業後は種苗会社に就職。
野菜種子の生産や試験栽培に取り組みながら、農業ビジネスの構想を温めていった。そして、2013年には山梨県にてブドウ栽培を学び、2015年にはワイナリーで働き研鑽を積む。
「木には個性があります」と語る日下さんのモットーはブドウの気持ちに寄り添いながら育てること。ブドウの育つ力を最大限に活かした自然体の美味しさを目指している。
人が集うワイナリーを作り、地域を盛り上げたい
野菜が年間を通して収穫が継続するのに対して、果樹は収穫期が一時期に集中するため、加工品を生産することで収益も安定する。
そのため、日下さんは将来的にはレストランやショップも併設し、農業体験もできるワイナリーづくりを召さしている。
生産現場を消費者に知ってもらい、適正な価格で買い支えて貰うことが出来れば、経営が成り立つ農業モデルを確立することが出来る。
人が集まるワイナリー作りを通じて「地域を盛り上げたい」と夢を膨らませる日下さんだ。