里の恩恵を還元する「サトノシゴト」
嫁ぎ先が果樹園だったとはいえご主人は会社勤め。
志江さん自身も農業経験はなかったが、子育てが一段落した6~7年前、今は亡き義祖父から「子育てをしながらできる仕事だから」とブルーベリーの栽培を勧められたのが最初の一歩だった。その後は義祖父の梨の果樹も任されるようになり、今や里から得られる恩恵を加工品にする営みを「サトノシゴト」として還元。
将来はショップも開設してお客さんとの情報交換もできたら、と思い描いている。
里山への愛から生まれた贈り物
商品ロゴやギフトラッピングにも「サトノシゴト」らしさを目指した志江さん。
自身のイメージとともに、地元の芸術大学の学生に協力を得ながら素敵なデザインが出来上がった。
また、ボックスに入っている緩衝材には、地元のスギ材を活用する喜連川杉インテリア木工館から出るスギの木屑を使用。蓋を開けると爽やかなスギの香りがするのもうれしい。
里山への愛から生まれたコラボレーションがこの土地ならではのギフトセットに結実した。
果実の命を残さず味わってほしい
果樹園が点在する田園地帯さくら市穂積。
矢野志江さんは嫁ぎ先の矢野観光りんご園で採れたリンゴや、志江さんが同園で育てたナシやブルーベリーなどをジャム、ジュース、シロップとして加工している。
時には廃棄せざるを得ないりんごを目の当たりにした志江さんは「加工品にすれば果実の命を残らず消費者に届けられる」と、加工を思い立ったという。果実そのものの味わいを残すためにてんさい糖とレモン汁のみで仕上げ、添加物は使っていない。